そして誰もいなくなった(And Then There Were None)

2017年3月25日、26日の2夜でテレビ朝日で「そして誰もいなくなった」が放映されました。

皆さんご存知のように、1939年に刊行されたアガサ・クリスティの長編推理小説「そして誰もいなくなった」(And Then There Were None)を原作にしたものです。

日本で、初めてのドラマ化です。

原作ストーリーは、イギリス、デヴォン州のインディアン島に、年齢も職業も異なる10人の男女が招かれ、晩餐の最中、彼らの過去の罪を告発する謎の声が響き渡ります。

告発された罪は事故とも事件ともつかないもので、その声は蓄音機からのものとすぐに判明しますが、その直後に生意気な青年が毒薬により死亡。

さらに翌朝には召使の女性が死んでしまいます。残された者は、それがマザーグースの童謡「10人のインディアン」を連想させる死に方であること、また10個あったインディアン人形が8個に減っていることに気づくのです。

さらに老将軍の撲殺された死体が発見され、人形もまた1つ減っているのを確認するに至り、皆はこれは自分たちを殺すための招待であり、犯人は島に残された7人の中の誰かなのだ、と確信するのでした。

誰が犯人かわからない疑心暗鬼の中で、召使・老婦人・元判事・医者が死体となり、残された3人のうち2人が死に、最後の1人も犯人がわからないまま精神的に追いつめられて自殺、そして誰もいなくなった。

「そして誰もいなくなった」は、過去にも各国で6回映画化、海外で4回テレビドラマ化されております。


今回のテレビ朝日版「そして誰もいなくなった」の、原作との相違点は以下の様になります。

①舞台が八丈島沖に浮かぶ「兵隊島」の「自然の島ホテル」
②マザーグースの童謡「10人のインディアン」が数え歌の「小さな兵隊さん」に変更されています
③登場人物および舞台が現代の日本になっています
④一部の人物の職業が変更されています
⑤数人の過去に犯した殺人の方法や動機が変更されています
⑥原作にはない、警視庁捜査一課の警部と地元警察の警部補が謎解き役で追加されています
⑦隠しカメラという現代の機器を利用して謎解きを見せています

仲間由紀恵さん主演という謳い文句ですが、それは、視聴者の食いつきが良いようにするのと、ミスリードを誘う方便でした。
2日間で約4時間を使っているため、人物、事件、謎解きをじっくり描くことが出来、見ごたえがありました。
このドラマだけのオリジナルキャラクターを演じた沢村一輝さんの飄々とした謎解きの演技が面白く、また、亡くなったばかりの渡瀬恒彦さんの身を削った渾身の演技であると共に、遺作になったことを付け加えさせて頂きます。


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